総願・別願
総願・別願
そうがん・べちがん
総願とは四弘誓願。
仏道をはげむ者が「無辺の衆生を済度しようと誓い、又無辺の煩悩を断破することを誓い、更に無尽の法門を理解することを誓願し、ついに無上の菩提を証得することを誓願する」のをいう。
日蓮聖人は『開目抄』の中で、法華経が二乗作仏と、久遠実成を説き示したことにより、仏の総願が果されるに至ったことを明らかにしている。
「衆生無辺誓願度此に満足す」(定五七〇頁)とある。
次に別願とは法蔵比丘の四十八願、薬師仏の十二願等の各自の特殊の願をいい、宗門では「我れ生生に諸仏を見ることをえ、世々にわたって常に法華経を聞き、不退の菩薩行を修し、疾く無上の大菩提を証得することをえん」との願である。
『録外微考』(下の一二)によると、この別願は宗門において、古来談義の前に必ずこの願文を誦すことになっている旨が記されている。
この総別二願は共に仏道修行者の、自行化他にわたる願行であり、菩薩行の根本を表したものといえる。
《『遺文辞典』教学篇「惣願(そうがん)」「別願(べつがん)」の項、『岩波仏教辞典』「願」「弘誓(ぐせい)」「別願」の項》