自行化他
自行化他
じぎょうけた
自行と化他のこと。
自利利他に同じ。
自行とは、自己に法の利益を受けるために修行すること。
化他とは他をして法の利益を受けさせるために化導すること。
この自行と化他とは、相反する二つのものではなく、この自行に化他が、化他が自行に相即するものである。
即ち自行、自己の修行が自己の利益、自利にとどまらず、修行そのものが他の人を教化・化導することにつながるものである。
また化他、他を教化し導びくこと、利他行は自己自身の修行、求道の精進なくしてはありえない。
自行即化他・化他即自行である。
菩薩行はこの相即した二つにすべてを包含するゆえに「上求菩提・下化衆生(じようぐぼだい・げけしゆじよう)」という。
聖人は法華経の行者として、自行化他を実践された生涯である。
末法における懺悔滅罪の凡夫意識の自行と、本化の菩薩としての自覚と弘通活動が、聖人において表裏一体をなすものである。
法華経不軽品に説かれた常不軽菩薩の修行、但行礼拝の菩薩像こそ、聖人の自行化他の理想とされた。
『三大秘法稟承事』に「末法に入りて、今、日蓮が唱ふる所の題目は、前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経也」とある。
《『遺文辞典』教学篇「自行化他」の項、『日蓮辞典』『岩波仏教辞典』「自行化他」の項》