法華玄賛
法華玄賛
ほっけげんさん
一〇巻。
唐の慈恩大師窺基(六三二-六八二)撰。
『正蔵』三四巻所収。
具には『妙法蓮華経玄賛』という。
窺基は玄奘三蔵の直弟。
法相教学に立脚して鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』八巻二八品を註釈したもの。
(1)縁起、(2)宗旨、(3)品名、(4)廃立、(5)品次、(6)釈文の六門に分けて釈し、一乗方便三乗真実、菩薩乗教の三車義等を明かす。
法相教学は日本に伝来して徳一に継承され、天台宗の最澄との間に三一権実論争が起る。
最澄は『法華玄賛』を指して「法華経を讃ると雖も還て法華の心を死(ころ)す」(『法華秀句』巻下)と批評し、日蓮聖人はこれを承けて「慈恩すでに一乗誹謗の人ぞかし」(『報恩抄』定一二二六頁)と嘉祥大師吉蔵と共に窺基を批判した。
『法華玄賛』はその序にも明らかなように、朝に講じて夕に製し終った、にわか作りの註釈である。