世界仏教徒会議
世界仏教徒会議
せかいぶっきょうとかいぎ
世界仏教徒会議とは世界仏教会(The World Fellowship of Buddhists略称WFB)の総会(General Conference)をいう。
世界仏教会とは昭和二五年(一九五〇)六月六日セイロン(セイロンは一九七二年スリランカと改称)の元国連大使G・P・マララセイケラ(Malalasekera)博士の唱導によりセイロンの首都コロンボで結成された団体で、二七地域の仏教徒代表がこれに参加した。
日本からは高階瓏仙・佐瀬淳光・中山理々の三名が参加した。
その目的は第二次世界大戦後の混迷した世界を仏教によって立て直そうとするにあった。
世界仏教会は結成と同時に第一回世界仏教徒会議を開き、世界仏教会憲章を制定した。
本憲章は昭和四七年に修正され、現在に至っている。
本憲章はその前文において、我々仏教徒は模範的仏教徒たるべく全力を尽すこと、及び世界平和のために仏教を全世界に普及することを決議したとあり、この決議は目的の項において更に五項目に分けられ、(一)会員たるものは仏陀の教訓を厳格に実践すること、(二)会員相互の団結と親睦を計ること、(三)仏教の教理を宣布すること、(四)社会的、教育的、文化的、及びその他の人道主義的諸活動を行うこと、(五)人類の平和を促進し、同じ目的を有する他の諸団体と協力することとしている。
更にこれらの目的を達成するための実施項目として八項目を挙げ、(1)各地に地方支部(Regional Centre)を設置すること、(2)伝道機関を設置すること、(3)教育機関を設置すること、(4)仏道修行者を援助すること、(5)社会的、教育的、文化的及びその他の人道主義的諸活動に従事すること、(6)世界の仏教諸団体と協力すること、(7)布教師、仏教学者、仏教学生を交換すること、等となっている。
WFB本部は初めセイロンに置かれたが、のちビルマに移され、昭和四四年以来タイのバンコクに置かれている。
WFBはタイ・ビルマ・スリランカ・クメール(カンボジア)・ラオスの仏教国の長老、タイ・ラオス・ネパールの国王、インド・ビルマの大統領、スリランカ・クメール・タイの首相及び全日本仏教会会長を顧問としている。
WFBの現会長はタイのプーン・ピスマイ・ディスクル(Poon Pismai Diskul)妃殿下で、副会長をタイ・ビルマ・ネパール・スリランカ・マレーシア・シンガポール・日本・韓国・蒙古・ソ連・ドイツ・アメリカの一二ヵ国に一名ずつ置いている。
地方支部は同一都市内でも組織体が別であれば二箇以上を置くことができる。
現在の地方支部の所在地を挙げれば左の六八ヵ所である。
(括孤内の数字は同一都市内にある地方支部の数を示す)。
〔アジア〕東京・ソウル・ウランバートル・台北・香港(三)・ホーチンミン(二)・マニラ・バンコク(二)・ビエンチャン・プノンペン(カンボジア)・クアラルンプール・ペナン・イポー(以上マレーシア)・シンガポール(三)・ジャカルタ(二)・ラングーン(二)・マンダレー・ダッカ・ゴントック(シッキム)・カトマンズ(ネパール)・トリプラ・ラージャスタン・カルカッタ(二)・ダライラーマ庁・カリンポン・ラダック・マドラス・ニューデリー・ボンベイ(二)・アツサム・ナグプール(二)・メールート(以上インド)・コロンボ。
〔欧洲〕プラハ・ブリュッセル・ウイーン・ロンドン・ヘルシンキ・ハーグ・ハンブルグ・ストックホルム・ゴテボル(スウェーデン)・パリ・モスクワ。
〔北米〕バンクーバー・トロント・ホノルル・シカゴ・リッチモンド(バージニア)・バークレー・オジャイ・サンフランシスコ(二)・ロサンゼルス(以上カリフォルニア)。
〔南米〕サンパウロ・リオデジャネイロ。
〔濠洲〕シドニー・
世界仏教徒会議は昭和二七年九月二五日より三〇日まで第二回を東京で、昭和二九年一二月三日より一七日まで第三回をラングーンで、昭和三一年一〇月一五日より二一日まで第四回をカトマンズで、昭和三三年一一月二四日より三〇日まで第五回をバンコクで、昭和三六年一一月一二日より二〇日まで第六回をプノンペンで、昭和三九年一一月二〇日より一二月六日まで第七回をサルナートで、昭和四一年一一月六日より一二日まで第八回をチェンマイで、昭和四四年四月一三日より二一日まで第九回をクアラルンプール及びペナンで、昭和四七年五月二二日より二七日まで第一〇回をコロンボで、昭和五一年二月一九日より二五日まで第一一回をバンコクで、昭和五三年一〇月一日より六日まで第一二回を東京及び京都で開いた。
第一二回世界仏教徒会議は海外からは二三ヵ国四八地方支部の代表とオブザーバー及び個人参加者を含めて三三六名が出席した。
その国名を挙げれば、韓国・蒙古・香港・台湾・タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ビルマ・スリランカ・バングラデシュ・インド・ネパール・ソ連・スウェーデン・ドイツ・スイス・オランダ・フランス・イギリス・カナダ・アメリカ・ブラジルであった。
日本大会宣言は、(一)われらは仏教徒間の国結を図り、同朋精神を妨げる一切の障害物を乗り越えることを決意する、(二)われらは世界共同体実現の究極的目標をめざして平和のために行動する他の世界宗教の指導者並びに人道主義的諸団体と協力する。
(三)われらは若い世代のために未開拓の宗教的及び教育的方策を発見することに努力する。
(四)われらは釈迦牟尼仏の降誕地であるルンビニの復興を援助する。
という四項目であった。
決議事項は(1)世界の仏教団体の実情に関する資料を蒐集する。
(2)ユネスコに対して世界平和のための宗教の役割を研究する作業を開始するよう要求する。
(3)仏教僧侶及び学者を交換する。
(4)あらゆる指導者に対して核兵器を完全に廃棄することを訴える。
(5)麻薬の絶滅を期する。
(6)各宗教の指導者と協力して世界平和を増進する。
(7)ルンビニ園の開発計画に協力する。
(8)青少年に対する仏教教育を盛んにする等であった。
《『国史大辞典』八巻「世界仏教徒連盟」の項》
(村野宣忠)