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日蓮上人伝記集

にちれんしょうにんでんきしゅう #2952

日蓮上人伝記集

にちれんしょうにんでんきしゅう

一冊。
日蓮聖人滅後の人々によって書かれた聖人伝記を集めたもの。
本書には室町代・江戸代に成立した次の伝記を収録する。

(一)『元祖化導記』二巻、行学院日朝著。文明一〇年(一四七八)成立、寛文六年(一六六六)刊行本を翻刻。
(二)『日蓮聖人註画讃及抄』五巻、円明院日澄著。享保二一年(一七三六)刊行本を翻刻。『日蓮聖人註画讃』に日収の『註画讃抄』を合綴したもの。
(三)『元祖蓮公薩埵略伝』一巻、本書には円智院日著とあるが、実は京都本隆寺證誠院日修の著。永禄九年(一五六六)成立、寛文九年刊行本を翻刻。
(四)『元祖一代暦』安院日著、元禄一五年(一七〇二)刊行本を翻刻。
(五)『法華霊場記冠部』一巻、豊臣義俊著。貞享二年(一六八五)成立。
(六)『本化別頭高祖伝』二巻、智寂院日省著。享保五年(一七二〇)成立、享保二一年(一七三六)刊行本を翻刻。
(七)『本化高祖年譜』一巻、建立日諦・玄得日耆著。安永八年(一七七九)成立、弘化四年(一八四七)再刊本を翻刻。
(八)『高祖年譜攷異』三巻、建立日諦・玄得日耆著。安永八年成立、弘化四年再刊本を翻刻。『本化高祖年譜』の捃拾で『本化高祖年譜』に合綴し会本としたもの。

右のうち、(一)~(三)は室町代の成立。
日蓮聖人滅後、江戸時代以前成立の日蓮聖人伝記は、このほかに『大聖人一期行状日記』(日向著)、『大聖人御伝』(著者不明)、『日蓮聖人御弘通次第』(日進著)、『三師御伝土代』(日道著)の四点を数えるのみである。
しかし『大聖人一期行状日記』『大聖人御伝』はいつの時代にか湮滅して今はなく、『日蓮聖人御弘通次第』も聖人の生涯の節となる重要な事柄のみを年譜的に記したものであり、『三師御伝土代』も一代記的体裁をとってはいるものの、記述方法は簡略かつ幼稚であり、両書とも伝記本として普遍をもちうる内容を備えていない。
本書に収録された(一)~(三)は、中世に成立した初めての一代記的体裁を整えた伝記本として、普遍をもつ内容を備えた代表的なもの。
また、(四)~(八)は近世成立の代表的な伝記で、本書収録に際しては、近世に出版された刊本を翻刻した。
巻末には例言として、収録伝記本の簡単な解説を附す。
明治四三年(一九一〇)六月一〇日、日蓮宗全書出版会須原屋書店発行。
なお昭和四九年(一九七四)年八月一五日、京都本満寺より、先の日蓮宗全書本『日蓮上人伝記集』に、新たに日実著『宗旨名目』、広蔵院日辰の『祖師伝』『負薪記』『申状』を増補し、原日認「広蔵院日辰の『祖師伝』と『負薪記』について」の解題を附して発行された。

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