教化研究会議
教化研究会議
きょうかけんきゅうかいぎ
現代社会に対応する教化活動のあり方を探求し、教化に関する経験交流を図り教化上の問題点及び方策を明らかにする日蓮宗教師による研究交流の集い。
現場の教師が平等の資格で参加し、教化についての悩みや課題を自由に提示しあうことによって、日蓮宗の全国的・地域的な教化活動を推進し教師間の集団的・組織的な教化実践に取組み伝道宗門としての日蓮宗確立の方向をめざしている。
当初、日蓮宗現代宗教研究所が提唱して開催された。
その後日蓮宗宗務院(教務部)・現代宗教研究所並びに各地域の宗務所が主催し、現場の教師の自主的な参画によって運営が行われ、現代宗教研究所の提示する教化研究に関する諸問題と地域独自の直面する教化上の課題とを関連させながらテーマを設定し討論と実践が展開されてきた。
こんにちでは日蓮宗全体が取組む教化研究活動として定着拡大するに至っている。
昭和四三年(一九六八)九月に第一回教化研究会議が池上本門寺にて開催されて以来、昭和五四年までに中央で一三回、地域では宗務区を単位として九宗務区において持続的に積重ねられ、教化内容と方策に関する研究討議と同時に教化資料教材の作成配布、教師間の教化についての協同化を図る教化センターの設置と実動、年齢別教化への取組み、日蓮聖人の報恩精神とその生活化をめざす報恩のための教化活動の推進などを検討し具体化するなど、見るべき成果は多い。
その主要な教化研究の側面は次の点である。
(1)教学を教化に活かす研究。
教学の理念を時代的に解明しその具現をめざすため、現代の伝道における立正安国の意義、報恩の精神、日蓮聖人の教えと公害問題、法華経・日蓮聖人と教化などを研究。
(2)布教対象に対応した教化内容と教育に関する研究。
檀信徒・末信徒への教化、幼児・少年少女・青年・壮年・老年・婦人別の教化方法、教化活動の計画化(カリキュラム作成)、寺院子弟の教育、信徒の育成、信行会・団参などの教化・教育の場の充実とその活用方法などを検討。
(3)現代社会の実情と教化との関連についての研究。
都市および農村における教化、社会的現実に対処する教化策、都市化現象と寺院の護持経営、地域社会と寺檀関係の変容についての把握とその対応策などを検討。
(4)教化方法の活用に関する研究。
行法・文書・視聴覚・個人と集団教化、護法統一信行の推進などについての事例研究。
(5)日蓮宗における教化活動の組織化に関する研究。
教化の協同化・組織化についての教師の役割と実動に関する研究。
教化研究会議の充実と拡大を図り、教化情報・教材作成及び教師間の教化交流を推進する方策を検討。
第七回中央教化研究会議(昭和四九年)では、立正安国の精神を現代に活かし社会不安の解決に取組む教化方向を打出した「宣言」を採択。
更に第一二回中央教化研究会議は「七百遠忌報恩身延教師結集大会」として開催され「七百遠忌報恩と伝道づくりをめざして―報恩の教師結集から同信同行同学の教化実践へ」の統一テーマをかかげて報恩教化の実践方向を明らかした「身延教研官言」を採択した。
教化研究会議は、
(1)全地域において教化交流の輪をひろげ教化活動をつみ重ねていこう。
(2)各地域に教化センターを設置し地域に適応した教化内容と資料教材を作成活用していこう。
(3)教化活動に取組む教師中心の伝道宗門づくりをめざし、教師一人ひとりが立上り協力しあっていこう、とする三本の柱を当面の目標として現代教化を推進し、日蓮宗における新たな信仰教化運動としての足跡をしるし、現代に活きる教化研究の場を開拓しつつある。
【補記】上記は昭和五六年発行『日蓮宗事典』掲載の内容である。平成二九年(二〇一七)に中央教化研究会議は第五〇回を迎えた。