寺院の区分
寺院の区分
じいんのくぶん
わが宗門の寺院は本末制度が施行されていた当時大別して、本山と末寺の二種とし、更に本山を総本山、大本山、本山の三類、末寺を中本寺、小本寺、小本寺末寺の三類に区分している。
中本寺とは末寺中、本寺已上の直末寺であって末寺を有する寺、小本寺とは中本寺の末寺であって末寺を有する寺のことである。
以上は本末制度による分け方であって、その呼称を寺院の格式、寺格という。
なお直末寺とは本山直接の末寺のこと、本寺とは中本寺が小本寺に対して有する資格のことである。
次に着用する袈裟の名称による分け方がある。
宗規には僧侶の法服は僧階によるものと寺格によるものとの二種が規定されているが、末寺寺院であってその本山本寺より永代緋金襴の袈裟着用許可を得た寺を緋金跡(緋金襴寺跡)、永代紫金襴の袈裟着用許可を得た寺を紫金跡(紫金襴寺跡)、素紫袈裟着用許可を得た寺を素紫跡(素紫寺跡)、その他の末寺を平僧跡(平僧寺跡)という。
緋金跡は寺禄等級五等以上紫金跡は七等以上素紫跡は九等以上でなければ、従来許可を得た者の外新に昇跡することは出来ない。
また末寺の寺跡を本寺寺跡以上に昇すことはでぎない。
寺禄等級とは寺院年間収入額により一等から三〇等、等外まで三一階級に分けた寺院の級位のことである。
現在寺院の等級制は行われているが、昭和一六年(一九四一)三派合同により寺院の寺格は総本山、大本山、門跡、別格山及び一般寺院と規定された。
本山及び本寺に所属した寺院に塔中寺院がある。
本山及び本寺は塔中寺院に対し本院と称し、その寺院規則中に相互に本院及び塔中寺院の関係(権利義務)を規定した。
塔中寺院は寺院規則を変更の場合本院住職の同意が必要である。
戦後昭和二四年、第一〇臨時宗会において寺院の区分を祖山、由緒寺院及び一般寺院と時勢に順応して簡明化した。
次いで昭和二六年第一三宗会において宗本一体制が取上げられた際に制度も一変し新に宗憲が生れ、第三章(祖山及び霊跡)として第一一条霊跡(重要な遺跡及び顕著な沿革のある寺院)なる区分を加え、第六章(寺院教会及び結社)第二二条に祖山、霊跡、由緒寺院及び一般の寺院とすると改め、かつ伝統を重じて“伝統により大本山又は本山の称号を用いることができる”と附加した。
こうして祖山(一ヵ寺)、霊跡(一一ヵ寺)、由緒寺院(四四ヵ寺)及び一般の寺院の四類となった。
その後、由緒寺院中より保田妙本寺、上野妙蓮寺、西山本門寺が離れ、霊跡へ北山本門寺、岩本実相寺が加り、一般の寺院より堀之内妙法寺及び鎌倉本覚寺、谷中瑞輪寺が昇格して現在、祖山(一ヵ寺)、霊跡(一三ヵ寺)、由緒寺院(四二ヵ寺)、一般の寺院(四五〇六ヵ寺)である。
なお宗門史跡に加えられた寺院もある。
《『日蓮宗法規』(昭和八年版)、『日蓮宗宗制』(昭和一六年版)、『現行日蓮宗法令』(明治三八年版)》