本法三段
本法三段
ほんぽうさんだん
『観心本尊抄』に説く四種三段(五重三段)の第四(第五重)であり、本法三段のことを本門三段・法界三段・観心三段・文底三段とも称する。
「四種三段」とは、華厳経から涅槃経に至る釈尊一代の教説を序・正・流通の三段に区分した「一代三段」、法華三部経十巻を三段に区分した「一経三段」(十巻三段)、十巻を二分してそれぞれ三段に配した「二門六段」(迹門三段・本門三段)、法華経本門を三段に配した「本法三段」をいう。
「五重三段」とは、一代三段・一経三段・迹門熟益三段・本門脱益三段・文底下種三段をいう。
『観心本尊抄』には「又本門においても序正流通あり。過去大通仏の法華経より乃至現在の華厳経乃至迹門十四品・涅槃経等の一代五十余年の諸経十方三世諸仏の微塵の経々は皆寿量の序分なり。一品二半より外は小乗教・邪教・未得道教・覆相教と名づく」(定七一四頁)と説かれている。
第四重の本門三段が迹門三段に対する本門一四品の三段であるに対し、本法三段は観心(文底)に約した三段分科である。
即ち一経三段・二門六段(迹門三段・本門三段)が天台大師の分科を継承したものであるのに対し、本法三段は聖人独自の法華経観を示されたものといえる。
十方三世諸仏の経々を序分、寿量(内証の寿量品)を正宗分とする。
寿量とは本法たる題目五字七字であり、一切の教法はここに集約されるのである。
流通分が説かれておらず、これについて諸説があるが『報恩抄』の「日蓮が慈悲曠大ならば、南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし」(定一二四八頁)の説示に随えば正宗分と同じ題目五字七字となる。
《『日蓮辞典』「本法三段」の項》