妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

本時の娑婆世界

ほんじのしゃばせかい #3417

本時の娑婆世界

ほんじのしゃばせかい

久遠の本仏成道の世界の本仏成道の世界をいい、それはこの娑婆世界にしていることをいう。
寿量品において始成正覚を破して釈尊の久遠実成が開顕されたが、それと合わせて本国土妙娑婆世界の常住が開顕された。
この常住浄土の世界を日蓮聖人は『観心本尊抄』の四十五字段に「今本時の娑婆世界は三災を離れ四劫を出たる常住浄土なり」(定七一二頁)と述べられたのである。
この娑婆世界を離れて真の仏土は存在しないのであり、娑婆の同居土は四土具足浄土となるのである。
このことを『開目抄』には「今爾前迹門にして十方を浄土とがう(号)して、此土を穢土ととかれしを打かへして、此土は本土となり、十方の浄土は垂迹の穢土となる」(定五七六頁)と記されている。
また『観心本尊抄』の四十五字段の次上に「華蔵・密厳・三変・四見等の三土四土は、皆成劫の上の無常の土に変化する所の方便・実報・寂光・安養・浄瑠璃・密厳等也。能変の教主涅槃に入れば所変の諸仏随て滅尽す。土も又以て是の如し」(定七一二頁)と述べられて、次下には寿量品の久遠本仏の開顕がそのまま娑婆世界の常寂光土の開顕となることを示されているのである。
穢土としての現実の娑婆世界の本質は浄土であると見る、世界平和は無より有を生ずることでなく、伏在せるものを顕在化することになるから、実現可能となる。
それがこの文の現代的意義である。
《『遺文辞典』教学篇「本時娑婆世界(ほんじのしゃばせかい)」の項、『日蓮辞典』「本」の項》

← 事典トップ