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三途成不決断抄

さんずじょうふけつだんしょう #241

三途成不決断抄

さんずじょうふけつだんしょう

一巻。 長松日(一八一七-九〇)著。
安政三年(一八五六)述作。
三途とは地獄・餓鬼・畜生の三悪趣のことで、この三悪趣の成不成について不成仏を主張した書。
幕末における隆門は、回向による謗法者の成不成の論争に端を発して、三途の成不成が論じられた。 更にこの問題から皆成派と久遠派とに分かれて成は十界皆成か人界独一かについて論争された。 本書はこのような中で執筆され、十界皆成の立場から三途成仏を主張した日然・日紹の所論に対して反駁・破折せんとし、三途成不の問題について決断せんとした書である。
本書の構成は自と五段の文証の全六段から成る。 自に自らの所論を述べ、文証に日蓮聖人遺文の『本尊抄』や『稟権出界抄』『四信五品鈔』等、日隆の『弘経抄』『五帖抄』などを引用して三途不成を論証している。 その内容は「当門流の土台と立る所は、第三の教相師弟の遠近不遠近の相とし、これによる主師親三徳具備の釈尊によって立て、釈尊による人界の下種を根本として即身成仏を説くとし、謗法によっておこるところの九法界の成道は退本取迹退大取小の後なるが故に正意としないとする。 畜生等の三趣の成を説くのは大僻見・大謗法である」と述べ、即身成仏は人界に限ると主張している。
『日聖人全集』第一巻所収。

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