三時教
三時教
さんじきょう
唯識法相宗の教判。
『解深密経』の無自性相品の説によって慈恩大師窺基が立てたもので、有・空・中の三時教ともいう。
存在を構成する要素である因縁生の諸法は有るとする阿含経などの説を第一時有教、一切を無自性にして空であると否定する般若経などの説を第二時空教(以上二つを方便末了教という)、空の真義を示し三性三無性を明し非有非無の中道を肯定する深密や華厳などの説を第三時中道教(=真実了義教)とする。
即ち頼耶縁起の法門を説く中道教を最勝となして唯識法相の義を宗旨としたのである。
また中国南北朝時代の南地の虎丘山の笈師は阿含一二年を有相教後法華に至るまでを無相教、涅槃を常住教とする三時教を立てた。
例えば『撰時抄』に「南には三時」(定一〇一一頁)とあるのは後者で、「天台大師は深密経の三時教をやぶる」(定一〇三七頁)とあるのは前者である。
《『遺文辞典』教学篇「三時教」の項、『岩波仏教辞典』「三時教」の項》