大通智勝仏
大通智勝仏
だいつうちしょうぶつ
法華経化城喩品に説かれる仏。
大通仏・大通ともいう。
仏と衆生との結縁関係が今番出世(インド応現)の仏より始まるのではなく、過去三千塵点劫の昔よりすでにあったことを示す。
即ち大通仏は釈尊以前三千塵点劫の昔、大相という時代の仏で、もとは好城国王であり、一六人の王子があった。
のちに王位をすてて出家、成道して仏となった。
一六王子も出家して沙弥となり、大通仏の法華経説法によってそれぞれ仏となった。
その第一六王子が釈迦牟尼仏である。
大通仏は法華経説法ののち、長い禅定に入ったため、一五王子はそれぞれの国土に赴き、それぞれの座にのぼって説法したが、第一六王子の釈迦牟尼仏のみ娑婆世界にのこり、娑婆国土の衆生に法華経を説法した(法華覆講)。
これによって娑婆国土の衆生は仏によって下種結縁されたのである。
これを大通結縁という。
これによって直ちに成仏した者もあり、他の教えによって成熟され、今番出世の仏の法華説法を聞いてついに仏になった者もいる。
しかし大乗を忘れて小乗に退転したため、いまだ仏種を開発しえなかった者もいる。
それが正像二千年に脱益を得た衆生である。
《『遺文辞典』教学篇「大通」・歴史篇「大通智勝仏」の項、『広説仏教語大辞典』「大通智勝如來」の項、『岩波仏教辞典』「大通智勝仏」の項》