法華覆講
法華覆講
ほっけふこう
覆講とは再説の意で、師の所説を弟子が代って再び説くことをいう。
ここにいう法華覆講とは化城喩品中にて、三千塵点劫の久遠に大通智勝仏が法華経を説き終って八万四千劫の長い禅定に入られた時、その王子十六菩薩がそれぞれの法座に昇って法華経を再説したことをいう。
この時に娑婆世界の衆生は仏道の因縁を植えつけられたのである。
つまり娑婆世界の衆生は第十六番目の王子釈迦菩薩の覆講によって下種結縁されたのである。
他の一五人の菩薩は菩提を成じてそれぞれの有縁の国土に赴いたが、釈迦仏のみ娑婆国土において阿耨菩提を成じ、娑婆世界の衆生を教化し、娑婆世界において般涅槃されるのである。
したがって釈迦仏とわれわれとは深い縁があり、世々生れるところを倶にするという因縁を持つのである。
そこに釈尊の親徳がある。
《『遺文辞典』教学篇「王子覆講(おうじふこう)」の項》