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多宝塔【教学】

たほうとう #1295

多宝塔【教学】

たほうとう

法華経見宝塔品において、釈尊の法華説法が迹門正宗分は終り流通分に至った時、多宝如来の全身の舎利を蔵したまま大地より涌出し、塔中より声を発して釈尊を讃嘆し法華を証明した七宝荘厳の大宝塔のこと。
経文には「爾の前に七宝の塔あり。高さ五百由旬、縦広二百五十由旬なり。地より涌出して空中に住在す。種々の宝物をもって之を荘校せり。五千の欄楯あって龕室千萬なり。無数の幢幡以て厳飾となし、宝の瓔珞を垂れ、宝鈴萬億にして其の上に懸けたり。四面に皆多摩羅跋旃檀の香を出して、世界に充徧せり。其の諸の幡蓋は金・銀・瑠璃・硨磲・碼碯・真珠・玫瑰の七宝を以て合成し、高く四天王宮に至る」と説かれている。
宝塔の涌出を見、その因縁を聞いた法華説法の会座の四衆は、多宝如来を見んことを欲した。仏は多宝如来の本願に従って、神力を以て娑婆国土を変じて浄土となし(三変土田)、十方の分身諸仏を招集し、仏自ら右の指を以て七宝塔の戸を開かれた。その音声は「関鑰を卻けて大城の門を開くが如し」と説かれている。その時、塔中の多宝如来は半座を分って、釈尊を塔内に入らしめ二仏並座した。これより嘱累品に至るまでを虚空会の説法という。
そして釈尊は妙法付嘱の人を勧募し、それに応じて地涌の大菩薩衆が涌現し、法華経本門の正宗たる寿量品が説かれ、神力品において上行等の四大菩薩を上首とする地涌の菩薩に別して妙法五字付嘱がなされるのである。
次の嘱累品において迹化・他方の無量の菩薩に対して総じて法華経が付嘱された。
ここに法華経の付嘱の大事は終り、多宝塔の開塔のために来集した分身の諸仏は各々の本土に還り、釈尊も塔より出でて霊山に還り、多宝塔は自ら戸を閉じて故(もと)の如く住し、薬王品以下の所説を聞くのである。
《『遺文辞典』歴史篇「多宝の塔」の項、『図説仏教語大辞典』「多宝塔」の項、『史大辞典』九巻「多宝塔」の項》

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