妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

召捕の弁

めしとりのべん #1027

召捕の弁

めしとりのべん

繰り弁の一つ。
一般に文八(ぶんぱち)と呼ばれる一三話のうちの一場面。
文永八年(一二七一)九月一二日、鎌倉幕府は日蓮聖人佐渡に決定した。
しかし極楽寺良観房忍性は平の左衛門尉頼綱と陰謀し、途中の江ノ島の刑場竜口で聖人を殺そうと企てた。
本弁では当松葉谷の草庵で弟子信者に説教をしていた聖人を、夕方の四頃、平の左衛門尉が数百人の兵の先頭に立って捕えに来た。
下知をうけた兵は草庵に駈け上り、御宝前に添えてあった法華経をばらまいた。
その中の一人少輔房という者が、法華経第五の巻をもって聖人の眉間を三打った。
聖人はもう一度打とうとする少輔房の右の腕をつかみ、日蓮も凡夫の身、力あるならばこの腕をねじ折りたいが、よくよくみればこの第五の巻は悪人・女人成仏が説かれ、さらには末法においてこの法華経を弘めるものは杖にて打たれると説かれている。
今日蓮が打たれた杖はこの第五の巻、金言に疑うことはない。
と自ら縄にかかり、馬に乗せられ刑場竜口ヘと向われた。
という内容を講談調に語り、信者をして感動させる弁をいう。

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