七難
七難
しちなん
悪法を信じて正法を謗ずる時生ずる七種の難のことで諸経に説かれている。
『仁王経』巻下受持品には次の七難を説く。
(1)日月失度の難(日月の運行が時を失い、黒日・赤日が出て日蝕が起る)、(2)星宿失度の難(星が度を失う)、(3)災火の難、(4)雨水変異の難、(5)悪風の難、(6)亢陽(こうよう)の難(ひでりのために花は枯れ、五穀は実らない)、(7)悪賊の難。
『薬師瑠璃光如来本願功徳経』には、(1)人衆疾疫の難、(2)他国侵逼の難、(3)自界叛逆の難、(4)星宿変怪の難、(5)日月薄蝕の難、(6)非時風雨の難、(7)過時不雨の難をあげる。
これは日蓮聖人が『立正安国論』(定二〇九頁)で述べられている七難である。
『陀羅尼集経』巻一〇には、(1)王難、(2)賊難、(3)水難、(4)火難、(5)羅刹難、(6)荼枳爾難、(7)毒薬難を説く。
また『法華経』普門品に説く諸難のうち、(1)火難、(2)水難、(3)羅刹難、(4)刀杖難、(5)鬼難、(6)伽鎖難、(7)怨賊難を七難とする。
また水・火・剣・毒・鬼・疫・産の難をも七難という。
修法回向文などでよく使われる「七難即滅・七福即生」という語句は『仁王経』を典拠とするが必ずしも特定の難を指すのではなく、種々の難という意味で使われている。
《『遺文辞典』歴史篇「七難」・教学篇「七難即滅七福即生」の項、『広説仏教語大辞典』『新版仏教学辞典』『岩波仏教辞典』「七難」の項》