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十玄六相

じゅうげんろくそう #939

十玄六相

じゅうげんろくそう

十玄門の理と六相円融の説とをいう。
ともに華厳宗の根本的教理で、古来より十玄六相と併称して、華厳学の大網を表す。
十玄門は詳しくは十玄縁起無礙法門と称し、四種法界のうち事事無礙法界の相を一〇方面から説示したもので、事と事とが相即相入して結び合い本性にかなっているという法界縁起の意味を表す。 これに通ずると華厳の玄界に入るから玄門と名づけられる。
智儼が『一乗十玄門』に説き、法蔵が『五教章』に承け継いだのを古十玄、法蔵が『探玄記』に示し、澄観が『華厳玄談』に祖述したのを新十玄という。 新十玄についていうと、(1)同具足相応門(万象が同時に他を具足し相応して成立していること)、(2)広狭自在無礙門(広・狭が対立的矛盾を媒介として自在に融け合っていること)、(3)一多相容不同門(一と多が用において融け合いながらも相において同じでないこと)、(4)諸法相即自在門(体において相即して融通なること)、(5)隠密顕了倶成門(隠・顕は相互に同時的に一体化して成立していること)、(6)微細相容安立門(一・多は相入するもその相をみださないこと)、(7)因陀羅網境界門(万象が映発し合って、果しなく重々無尽であること、因陀羅網の如くである)、(8)託事顕法生解門(万象に託して法の相即相入無礙の相が顕されており、かつ理解されなければならないこと)、(9)十世隔法異成門(過・現・未の三世に各三世があって九世となるが、その九世が相相入して一念におさまるので、総別十世となる)、(10)主伴円明具徳門(万象は相互に主となり伴となって、すべての徳をまどかに具えていること)である。
六相とは法蔵の『五教章』巻四によると、総相(一に多徳を含むこと)、別相(総相に依止した総相をあらしめている多徳の一でないこと)、同相(多義多法であっても同じく総相を成じていること)、異相(総相を成じている多義多徳の別異なること)、成相(総相が成立すること)、壊相(別相各々の自立)の六ですべての存在がこの六相を具えて互いに他を礙げずに、全体と諸部分が一体化していることをいう。 世親の『十地経論』が菩薩行について六相を説き、それを隋の慧遠が『十地経論義記』において解釈しているが、円融論としては智儼が初めて論及し、法蔵澄観が大成した。
《『遺文辞典』学篇「十玄」「六相」の項》

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