倶生神
倶生神
ぐしょうじん
日蓮聖人は『道場神守護事』に「同名回生の天これ能く人を守護す。
(略)又云く身の両肩の神尚常に人を護る。
(略)人所生の時より二神守護す。
所謂同生天同名天是を倶生神と云う。
華厳経の文也」(定一二七四頁)と、守護神と理解されている。
ところが『十王讃歎鈔』(定一九七九頁)では、人は、死後五七日目に、閻魔法王の前で、倶生神によって鉄札に記した一生の悪業を読上げられる。
倶生神はその人と同時に生れ、影の身に添うように付添い、須叟の間も離れず善悪業を鉄札に記しておく監視記録の神となっている。
これは吉蔵の『無量寿経義疏』に「一切衆生に皆二神あり。
一を同生一を同名と名づく。
同生は女にして右肩の上にありてその作悪を書し、同名は男にして左肩の上にありてその作善を書し、月に六反その名籍を録して大王に奏上す」と同意で、『讃歎鈔』は後世の偽作とされているから、本宗では真筆現存の前書を用うべきだろう。
《『遺文辞典』歴史篇「倶生神」「同生天」「同名天」の項、『岩波仏教辞典』「倶生神」の項》