妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

祈祷鈔

きとうしょう #4294

祈祷鈔

きとうしょう

(一一三)日蓮聖人撰。
真蹟三〇紙身延山久遠寺曾存(日乾目録・日莚目録)。
写本は日王筆「真言祈祷事」(「金綱集」『宗全』一三巻二七一頁)・行学院日朝本が共に身延山に所蔵されている。
高祖遺文録』(小川泰堂編)によると、本書は古来より伝える録内一六巻『祈祷鈔』に録内一九巻の『祈祷鈔奥』(女人往生抄)と録外六巻の『真言宗行秘法事』(真言宗調伏祕法還著於本人)とを尾張の智英日明が添加合続したものであるという。
著作年代は文永九年、同一〇年等の説があるが、本書の内容から文永九年(一二七二)聖寿五一歳の頃とされる。
著作地佐渡一谷。 対告者は最蓮房とする説があるが明らかではない。
その内容は諸宗の祈祷の無益と法華経の祈りの正統を明らかにするものである。 ち諸宗諸経は権宗権経であって真の成仏はなく、その祈りも利益は無い。
特に真言宗の祈祷は利益が無いどころか、かえって身を亡ぼし国を亡ぼすものであるとその実例をあげて論証し、法華経こそ諸仏菩薩二乗人天の魂であり、真の成仏を達成する実経であるゆえに、法華経の祈りの叶わないことはないと論断されている。
《『遺文辞典』歴史篇「祈祷鈔」の項》

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