調伏
調伏
ちょうぶく
「じょうぶく」とも。
いわゆる抑制、制御、調和制伏で、整え鎮める、制し伏す、または悪を抑え除くことで、自らの身心を制御して悪を排し、対外的には敵意ある者を教化して悪を捨てさせ、障害をもたらす者を降伏させることである。
真言密教でいう調伏法とは、五大明王等の法を修して、悪人除去、魔障怨敵の摧破を祈る護摩法をいい、三種・六種法(息災・増益・調伏の三種法に愛敬・鉤召・延命を加えて六種法)の一つで、その原型は古くはアタルヴァ・ヴェーダ中にも見られ、六種法の中でも最も起源が古い。
『桧尾護法略抄』には、この法を更に四種に分けて、摂化降伏、除難降伏、無名降伏、悉地降伏としている。
小泉久遠寺の日伝(-一四一六)は『大綱深秘抄』に、調伏は法華経読誦の精誠をもってなすべきこと。
その証として薬王品の「汝今已能破諸魔賊壊生死軍、諸餘怨敵皆悉摧滅」云々。陀羅尼経の「令百由旬内無諸衰患」等をあげ、もししからば、釈迦多宝総じて十方の諸仏、薬王・勇施の二菩薩、多聞、持国、十羅刹女の御守護疑いなしという。
《『宗全』二巻、『遺文辞典』教学篇「でうぶく・調伏(じょうぶく)」、歴史篇「調伏(ちょうぶく)」の項》