横浜百部布教
横浜百部布教
よこはまひゃくぶふきょう
神奈川県横浜市々内寺院が一致協力して行っている高座布教のこと。
正式名称は「横浜自我偈百部布教」という。
昭和六年(一九三一)五月宗祖六五〇遠忌の記念事業として市内寺院一八ヵ寺(旧市内)が協力して一大布教を展開することを決め実行したのが始まりである。
常清寺・橘田宣要、妙香寺・宇都宮日綱、円大院・神部宣雄、大円寺・星野日亮の各師が中心になり、
(一)祖恩に報ずる道の第一は広宣流布である。
(二)人心の乱れは法華経によってのみ救われる。
(三)法華経流布の先陣は言説布教。
右のような趣旨を話し合い、市内寺院全体の事業として始めた。
内容としては、
(1)布教師は管外から一名招聘する。
(2)管内の布教師一名も加わる。
(3)一日一ヵ寺、二座か三座の布教を行うものとする。
(4)一八日間連続で行う。
(5)参加の檀信徒にはおときを出す。
等が主なものであり、一日の日程は(イ)檀信徒集合、(ロ)開会、(ハ)勧請、(ニ)開経偈、(ホ)方便品、(ヘ)自我偈(一〇巻)、(ト)唱題(一〇〇遍)、(チ)祈願回向、(リ)説教、(中食)(ヌ)再び法要、(ル)勧請、(ヲ)開経偈、(ワ)方便品、(カ)自我偈(一〇巻)、(ヨ)唱題(一〇〇遍)(タ)追善回向、(レ)説教。
おおよそ右のように営まれた。
中心となった人々の努力、市内各寺院の一致協力、布教師の力、三者が一体となった行事であったので多くの檀信徒が参加、多大の成果を収めた。
以来五〇年になろうとする今日まで初心は守られ、戦争中に数年休んだが戦後まもなく続けられ今日に至っている。
戦後は「立正協会」という組織を作り、この組織体の活動として行っている。
毎年五月、七-八ヵ寺を会場に約一週間高座布教を行っているが、京浜地区における高座布教の伝統はここで守っているといってよい。
ちなみに発足当時の市内寺院は次の通りである。
常清寺、妙香寺、善行寺、常照寺、円大院、大円寺、川合寺、妙音寺、久成寺、浄瀧寺、蓮法寺、本慶寺、慈雲寺、妙蓮寺、法隆寺、本法寺、長導寺、長遠寺。