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慶弔文

けいちょうもん #2221

慶弔文

けいちょうもん

広く慶や弔祭に際して、或は慶賀の意を表し、或は哀悼の意を表すために読む文章の総称。
宗門・寺院檀信徒などに関する慶弔文には、古来特有の形式がある。
に属するものとしては、諸堂落慶・入仏開眼などの慶讃文、入寺・退隠・荒行成満などの奉告文を始め、各種の祈願文・表白文等があり、弔文としては葬式の嘆徳文、追悼会・慰霊祭などの追悼文や祭文、各種の供養諷誦文等がある。
慶弔文は法会・儀式の中で重要な位置を占めるものであるから、先師はみなその作製に心魂を傾け筆力を尽したのであって、後進のためにそれらの作品を集めた参考書が作られている。
例えば、寛文一二年(一六七二)京都中村五兵衛刊『唱諷集』(編者未詳)、元禄八年(一六九五)京都野田弥兵衛等刊『嘆徳集』(編者未詳)、明治一四年(一八八一)村上勘兵衛刊『諷誦嘆徳要文集』(毘尼薩台巖編)、明治二八年(一八九五)不器庵刊『妙宗慶弔文例』(柿沼勝存編)、昭和四三年日蓮宗宗務院刊『昭和慶弔文例集』(日蓮宗伝道部編)などがそれである。
慶弔文には昔はほぼ一定の型があったが、代の推移と共にその用語や表現もおのずから変化しており、近年は口語体を用いる人もいる。 しかし、いずれにしても文章の基本的な要件である明晰・流暢・品格などは、今日と雖も変りはない。 特に僧侶の用いる慶弔文は、荘重典雅でなければならぬ。
上記の諸書に採録された文章は、そういう条件に適ったものといえるが、もちろんそのまま右から左へ焼きなおしがきくわけではない。 けれども、これらの書によって、先師苦心の作を熟読玩味して、これを現代風に換骨奪胎してみるならば、文章修の面で有益であろう。
更に古来名文として定評のある和漢の外典の文章を広く読むことが、文章上達の秘訣である。
また、初心者にとっては谷崎潤一郎著『文章読本』(昭和九年中央公論社刊)や丸谷才一著『文章読本』(昭和五二年中央公論社刊)などを一読するのも有効であろう。
現代は一般世の知的水準が高くなっており、檀信徒の中にも文章に関して一見識をもった人も少なくないから、法会の中で支離滅裂な文章を読んで、具眼の士の軽侮を買うことのないよう、十分に心し、平素から文章表現力を錬磨することが肝要である。
慶弔文作製の具体策については、戸田浩暁「慶弔作法要領」(『昭和慶弔文例集』附録)参照。
慶弔文を記すには、奉書紙・糊入紙などが用いられる。 文字はていねいに、且つ誤字などのないように注意しなければならない。
畳み方は、従来は中折りにしてたたみ、上包でくるむのが例であったが、最近では諷誦の際の取扱いの便宜から、お経本のような折本形式を用いる人もある。

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