心地観経
心地観経
しんじかんぎょう
具名は『大乗本生心地観経』。
唐代(八一一)般若三蔵訳、八巻。
『正蔵』三巻、『続蔵』一五巻・八収。
般若・維摩・法華・華厳・梵網・涅槃等の経を背景として成立した経とされ、常楽我浄の提唱(第一巻)、雪山童子の物語(第一巻)、子を負うた貧女が河に溺れて大梵王となった話(第二巻)等は涅槃経と類似する。
また如来蔵思想・唯識思想も摂取しており、厭捨品第三に無漏法爾種子をいうところは源信が『一乗要決』に指摘した所である。
また第八巻に来て突然に出現した密教的色彩は『諸仏境界摂真実経』巻中の部分と殆ど全同であり、五大院安然はこれにより本経を金剛界部の経と見て、盛んに引用した。
日蓮聖人は専ら本経巻二の報恩品第二の四恩説を重視して『四恩鈔』等に引用された。
《『国一』和漢撰述部の解題、、『遺文辞典』歴史篇「心地観経」の項、『大蔵経全解説大事典』「〇一五九・大乗本生心地観経」の項、『仏書解説大辞典』「大乗本生心地観経」の項、『岩波仏教辞典』「心地観経」の項》