青提女
青提女
しょうだいにょ
釈尊十大弟子の一人で神通第一といわれた目連尊者の母。
生提女とも書く。
物惜しみをして非常に欲が深く、他人に与えることをいやがったために、その樫貧の罪で餓鬼道に堕ちたが、子の目連尊者に救われたとあり、これが盂蘭盆の起源になっている。
『仏説盂蘭盆経』によれば、小乗の阿羅漢果にのぼり神通力を得た目連が父母を救おうと三悪道を見透すと、餓鬼道に母が居た。
やせおとろえ、骨と皮だけのような姿になっているのを嘆いて、飯を差し上げたが火となって燃え上がり、食べることができずに却って苦しみを与えるようになってしまった。
そこで釈尊に訴えると、七月一五日に十方の聖僧を集め、百味の飲食を整えて供養すれば救うことができると教えられ、一劫の間受くべき餓鬼道の境遇から離れることができたと説かれる。
また宗密の『盂蘭盆経疏』には、やはり樫貧の罪により、青提女は五百生の間、餓鬼道に堕ちたが目連に救われたと述べられている。
日蓮聖人は『盂蘭盆御書』『四条金吾殿御書』等で、盂蘭盆の起源を説くと共に、自身の力で救えなかったのは、小乗の教えを信じ、二百五十戒という小乗戒を持つのみであったことが原因である。
更に成仏させなければ本当の救いとはならず、そのためには自身が法華経を信じ、成仏しなければならないと強調している。
《『遺文辞典』歴史篇「青提女」の項》