種子
種子
しゅし
(一)「しゅじ」と読む時は、密教にて仏・菩薩・諸天や種々の事項を標示する梵字をいい、種字とも書す。
胎蔵界大日如来の種子をaとするが如し。
(二)「しゅうし」と読む時は、唯識宗・法相宗では第八阿頼耶識の中にある一切法を生ずる可能性を指す。
(三)「しゅうじ」と読む時は、日蓮宗では仏種をいう。
『本尊抄』に「過去の結縁を尋れば大通十六の時、仏果の下種を下し、進んでは華厳経等の前四味を助縁と為して大通の種子を覚知せしむ。
此は仏の本意に非ず。
但だ毒発等の一分也。
二乗・凡夫等は前四味を縁として漸々に法華に来至して種子を顕はし開顕を遂ぐるの機、是れ(本意)也」(定七一三-四頁)という場合の種子は仏種であり、法華経を聞法して仏と結ばれた縁のことを穀物の種子に喩えたのである。
種子は成育して一木一草となり、開花し結実するように仏種は成熟して仏となる。
故に仏と成るための核をいう。
《『遺文辞典』教学篇「種子(しゅうじ)」「種子(しゅし)」「種子(しゅじ)」の項、『日蓮辞典』「種子」の項》