幸田露伴
幸田露伴
こうだろはん
(一八六七-一九四七)
小説家。
随想家。
江戸(東京)下谷の生れ。
本名成行しげゆき。
号を蝸牛庵ともいう。
『露団々』『風流仏』『一口剣』『五重塔』を次々に発表、芸術に打ち込む人間の姿や信念を描いて理想主義的なロマンチシズムと仏教精神を表現した。
広い教養知識と鋭い観察力によって多くの傑作を残したが、小説では『風流徴麈蔵』『風流魔』『天うつ浪』等があり、史伝には『頼朝』『運命』『連環記』等がある。
また『芭蕉七部集』の評釈を行った。
仏教への造詣も深く、「連環」の世界を重視し、作品の中には仏教信仰を表出させたものも多い。
『寿量讃』『因其心恋慕乃出為説法』等法華経に関するものがあり、更に『高祖の降誕』や『日蓮上人』の著作も残し日蓮聖人一代の事跡を簡明に伝え、また法華経と日蓮聖人への賛嘆の念をこめつつ著作の中にその信仰精神を脈打たせている。
幸田家の菩提寺は浅草の日蓮宗正覚寺で、墓は池上本門寺にある。
昭和二二年(一九四七)没。瑞峯院露伴成行日俊居士。
《『国史大辞典』五巻「幸田露伴」の項》