高祖の降誕
高祖の降誕
こうそのこうたん
幸田露伴の書いた随筆。
明治三四年(一九〇一)降誕会に際し、日蓮聖人の誕生を讃嘆、その意義について述べたもの。
「高祖はたゞに貞応のむかしの今月今日に降誕ありしのみならず、また実に明治の今年の今月今日に於ても、有縁の各処に於て降誕ある」と述べて不滅の現前における降誕の意味を示した。
「南無妙法蓮華経の響きは初声と申すもので、その声を聞くものに限りなき心の勇みを発せしめ歓喜を与える。
今月今日の縁によって初めて高祖の名を聞き題目の声を聞いて歓喜し信受する人の胸中に、今月今日我が高祖は現前に降誕されたということになる。
高祖の〈英霊俊偉の気〉は今に存し未来に及んでいるのであるから、高祖の降誕は過去をしのんで喜ぶのみならず現在未来にわたって喜ぶべきことである」と語り、祝賀の気持をあらわしている。
《『悦楽』『雙榎学報』》