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三教指帰

さんごうしいき #173

三教指帰

さんごうしいき

空海(七七四-八三五)作、三巻。
末に「時に延暦十六年臘月一日」と、ときに空海二四歳。
弘法大師全集』第三輯収。
真言宗私見聞』の第一五弘法事の中に「出家已前には俗書を学す。 外典は意浅しとて三教指帰三巻を造り給へり」(定二〇九二頁)とはこれ。
巻上にはと亀毛先生の説、巻中には虚亡隠士の説、巻下には仮名乞児の説を収め、順次に儒教・道教・教と三教の思想を論じて、が最高の思想であると説く。
では本書述作の動機を述べるが、中に自身の若き日の学業と宗教体験を述べており、空海伝を知る一助となる。
四六駢儷体の漢文、学的な論述形式を避けて、対話の形式で三解せしめる点は『聖愚問答鈔』を偲ばせる。
出家後間もない頃の習作であるため密教思想はない。
高野山宝庫所蔵の空海直筆の『聾瞽指帰』も同年月日の日付を有し、内容もほぼ同じ、文と最後の十韻のが全く異なり、本文には三〇〇ヵ所ほどの字句の出入があり、本書は『聾瞽指帰』の改訂本かと推定されている。
なお、中山法華経寺に『三教旨皈抄』一帖五七丁が蔵される。
日蓮聖人少年時の写本とする伝承があるが聖人以前の古い時代に書写されたもののようで、聖人の所得本として伝わるものであろう。 首尾に馬と武士の絵画が書き入れられていて聖人の作かの意見もあったが否定され、後代のものと考えられている。
聖人が『三教指帰』を読まれかつ活用もしたことは『立正安国論』の文体・構成・類文等によって明瞭である。
《築島裕・小林芳規『中山法華経寺本三教指帰注総索引及び研究』、『遺文辞典』歴史篇「三教指帰」の項、『図説日蓮聖人と法華の至宝』二巻「真蹟遺文」、『岩波仏教辞典』『仏書解説大辞典』『国史大辞典』六巻「三教指帰」の項》

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