依法不依人
依法不依人
えほうふえにん
法によって人に依らざれ。
法四依の一。
日蓮聖人は、『報恩抄』に「涅槃経と申す経に云く、法に依って人に依らざれ等云云。
依法と申すは一切経、不依人と申すは仏を除き奉りて外の普賢菩薩・文殊師利菩薩乃至上にあぐるところの諸の人師なり。
(略)されば仏の遺言を信ずるならば、専ら法華経を明鏡として一切経の心をばしるべきか」(定一一九四頁)と述べ、依るべき法とは法華経、不依人とは仏以外の諸人師であることを明らかにされている。
依法不依人は一代聖教の本意を知るための基本的態度を示すもので、聖人は仏みずから法華経に依るべきことを明示された「金言」「遺言」であるとみられた。
依法とは依法華経であると知ることは、法華経こそが一代聖教の頂上の宝珠であると知ることである。
聖人は仏語に随順するゆえに「依法不依人の金言」を帯して釈尊の本意である法華経に生涯を捧げたのである。
それが聖人の依法とは依法華経を知ることの意味であったのである。
《『遺文辞典』教学篇「四依」「依法不依人」の項、『岩波仏教辞典』「依法不依人」の項》