稚児舞
稚児舞
ちごまい
寺院の大法会に於て、諸尊法楽、天下泰平国土安穏祈願の為に舞うもの。その発祥をたずねれば、平安時代中期以来、東大寺、興福寺、日光輪王寺、平泉毛越寺、日蓮宗では身延山久遠寺など全国各宗諸大寺で舞われた「延年の舞」に起源をもつもので、稚児とは、いわゆる「おさなご」、童男童女の意であり、こうした子供達が舞うところから「稚児舞」と名付けられた。
又、稚児は帝釈天の使者として娑婆世界に舞い下ったものであるとの意から「天童」といい、舞を、「天童舞」ともいう。
近年に於ては昭和六年(一九三一)日蓮聖人第六五〇遠忌大法会の砌、池上本門寺において「童舞讃頌」として、
其の昔六百五十年
御祖師かくれ給ふ時大地は震ひ
時ならぬ桜ハラハラ花吹雪
偲びまつると池上の
御山につどふ今日のよき日
舞の緋の袖笛の音も
昔にかへる心地して
の歌に、官内省楽師、豊時義が作曲、振付をして舞われ、その後、本山をはじめ諸寺の御遠忌法要にもしばしば舞われており、最近では昭和四四年一一月の朗尊第六五〇遠忌、昭和四六年一一月の日蓮聖人降誕第七五〇年慶讃法要等に、紀野一義作詞、藤本寿一作曲の仏讃歌「みほとけはいます」に、バレエの橘秋帆が振付をした舞が行われていることなどが挙げられよう。
《『身延山史』、池上本門寺編日蓮聖人降誕第七百五十年記念『よろこび』》