妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

灌仏会

かんぶつえ #4016

灌仏会

かんぶつえ

または浴会、生会、龍華会、花まつりともいう。
四月八日釈尊誕生を祝うために行う法会。
灌仏会の起源は古く、初めはインドで行われ、四世紀ごろに中に伝わり日本でも七世紀頃から行われるようになった。
この法会では沢山の草花によって飾られた花御堂(または花亭ともいう)の中に、誕生の、右手でを指し、左手で地を指し「下唯我独尊」と宣言されたという伝説に基づく「誕生仏」を安置し、五色水、湯、甘草等の水を頂上からそそぎ、沐浴灌洗(もくよくかんせん)する。 この水がいわゆる甘茶である。
説摩訶刹頭経』に、この「誕生仏」を沐浴灌洗すると、現世では無病息災で長寿が得られ家族・縁者もその功徳によって、安穏に生きることができ、未来には、すみやかに菩提を証してになることができる、とある。
日本では推古皇一四年(六〇六)の四月八日、奈良元興寺の金堂に、丈六の銅を安置して行ったのが最初である。
仁明皇の承知七年(八四〇)に宮中で初めて灌仏会が行われてから、一般の寺院にも普及し、盛大に行われはじめ、各宗に通じる仏教行として親しまれるようになった。
甘茶は江戸代以後のものであって、それ以前においては、平安代五種の香料「都梁香=青色水、欝金香=赤色水、丘降香=白色水、附子香=蕉色水、安息香=黒色水」(『江次第の註』)で五色水が用いられ、鎌倉代末期には桃、李、松、栢、柳の五木を煎じて五湯を作り用いたという。
江戸代にはこの甘茶の施しを受けて、これを墨にまぜてすり「千早ぶる卯月八日は吉日よ かみさけ虫を成敗ぞする」という歌を書き戸口にはり付けておくと虫の害を防ぐことができるとされ、また八大竜王茶と書いて井にはっておくと、雷よけになるといわれ、これをはっていたも少なくなかったようである。
この灌仏会の日に江戸では卯の花をつむ風習があり、京都では「花の塔」と称してツツジや、シャクナゲの花を竿の先につけて高く立てておくという風習があったという。
これらはすべて供養するとの意味で行われたようで、生活とがとけ合っていたことがうかがわれる。
『広説仏教語大辞典』「灌佛」の項、『新版仏教学辞典』『岩波仏教辞典』「灌仏会」の項

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