法華の護摩
法華の護摩
ほっけのごま
密教祈祷修法の一つで、法華経によって護摩壇を築いて修する法をいう。
唐の不空訳『成就妙法蓮華経王瑜伽観智儀軌』一巻をその起源とする。
天台密教では『阿娑縛抄』真言宗では『覚禅鈔』(百巻鈔ともいう)に、それぞれ法華法があり、護摩について記述されている。
これを法華の護摩という。
護摩とは火を焚き火中に物を投じて供養し、祈願することである。
インドで古代より行われていたが、これを仏教に取入れて深い意義を与えたのが密教の護摩法である。
これに二種あり、壇炉を設け供物を炉中に投じ供養するのを外護摩、作法にこだわらず観念の上に修するのを内護摩という。
前者は息災・増益・降伏の三事を成就するといい、後者は解脱を得るという一種の観法である。
しかし日蓮聖人は『下山御消息』に「日吉の社にして法華の護摩を行ふといへども、不空三蔵が誤れる法を本として行ふ間、祈祷の儀にあらず」(定一三四三頁)として法華の護摩を破斥されている。
《『遺文辞典』歴史篇「法華の護摩」の項》