普賢三宝荒神
普賢三宝荒神
ふげんさんぼうこうじん
普賢菩薩は法華経普賢菩薩勧発品において、末法に法華経を受持する者を守護し、いかなる魔もその魔手を伸ばすことができないようにし、またこの経を読誦すれば六牙の白象王に乗って行者の前に身を現わそうと誓願を立て、呪を説いている。
この教説に普賢延命法などが影響して、平安時代の頃から普賢信仰が盛んとなり、江戸時代初期まで庶民の間に竈(かまど)の神として祀られてきた。
荒神は日本古代の荒ぶる神の思想を背景として陰陽師等が説いた民間信仰の神で、竈の神として台所に棚を作って祀られている。
古書に「俗に竈神を三宝荒神と称して、頭が三ツあって髪が逆さまに生えたる神となし、何事にも障碍をなすものとして、修法の始めにこの神を祭り和らげることがある」と述べられている。
また、これには自他両門の義があり、他門真言宗の伝えるところでは昔、役行者(えんのぎょうじゃ)が葛城の山中で会った神は自ら名を護法荒神といい、三宝を衛護し法賊を治罰するものであるという。
本宗の説では『御義口伝』に「三宝荒神とは十羅刹女の事也。
所謂飢渇神・貪欲神・障碍神也。
今法華経の行者は三毒即ち三徳と転ずる故に三宝荒神に非ざる也。
(略)法華経の行者の前にては守護神也」(定二六九五頁)とあって、法華の守護神とされている。
この荒神信仰と普賢信仰が結合して、本宗では普賢三宝荒神と称し竈の神として信仰されている。
年末には「カマジメ」といい、お礼と幣束を取り替えて修法する。
荒神幣には種々の相承がある。