荒神
荒神
こうじん
『祈祷経言上』(定二〇九四頁)の「荒神」については『祈祷経聞書』によると「荒神とは一段と悪神にして、物に障碍を成し、万事に障を成す神なり、能く信を取れば又守護とも成る神也。
善悪に障を成す也。
へつついの神と言ふのは此神は万事に成ぜんと云う神なれば食物をする処なれば此の如く云ふなり、当宗は荒神をば鬼子母神十女と意得するなり」とある。
日遠の『祈祷瓶水抄』によれば、師日重の『祈祷経聞書』の説を敷衍(ふえん)して「荒神とは一切善悪を司どる諸神也」とあって複数の神となっている。
祈祷では三宝荒神を含めて、天には天南荒神、地には地神荒神、三には三宝荒神、辺水荒神、三十仁王棟荒神、七十五社の屋家荒神とあり、惣じて荒神の数は八万八千八百荒神ありとしている。
因に顕本法華宗の祈祷の伝承では左記の「十荒神」を挙げている。
即ち「地向荒神、林荒神、家内荒神、土公荒神、仏神荒神、地神荒神、四方荒神、八方荒神、辺水荒神、仏神三宝大荒神」としている。
《『遺文辞典』歴史篇「荒神」の項、『国史大辞典』五巻「荒神」の項》