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日親上人徳行記

にっしんしょうにんとくぎょうき #3055

日親上人徳行記

にっしんしょうにんとくぎょうき

(一)京都本法寺二〇世本地院日匠(一六二七-八九)著。
漢文体一巻。
大段を二〇に分ち「誕育薙染」「学成」「発誓感瑞」「試忍力」「霊夢」「上洛弘法」「一乗寺」「法性寺」「治国論」「禁獄諸責」「冠鐺」「義教現報」「本阿弥」「大慶寺」「播州横難」「著述」「本法寺建立」「逆修」「示寂」「滅後応」としている。
日親(一四〇七-八八)の誕生、得度の記述に始まり、日祐の墓石が倶に自我偈を唱えた感瑞、爪をはがし針を突きさして忍苦を試みること、日祐から夢の中で判形授与されること、上洛弘通と諫暁、種々の責、焼けたなべをかぶり、舌を切られる迫害。
この迫害を忍んでの弘通活動から本法寺の建立。
示寂と最後に入滅後の霊談で結ばれて、ほぼ編年体で書かれている。
しかし漢文であるために、一般信徒の便に供することが困難であったので、後に本法寺二七世成遠院日達(一六五〇-一七〇八)が仮名文に改めたものが宝永元年(一七〇四)に刊行された。
これは上下二巻で、仮名文に改めてあるばかりでなく、章段ごとに絵が描かれている。
更に先の漢文体『徳行記』に補足し、信心を促す記述が諸所に挿入されている。
章段の項目は両本ともほぼ同じであるが、仮名本は第一三段「本阿弥」の後に、「常寺」という項目があり、全二一段となっている。
両本とも版行されたが後者は『文東方教叢書』『日親上人全集』第一巻に収録。
なお、本法寺所蔵『開山日親上人徳行図』がある。
これは元禄の狩野派の絵師片山尚景が描いた絵巻物で日親の生涯を二四の場面で描き「徳行記」から抜粋した詞書を付す。
、全図と訓読詞書が公表され、『平成十九年度京都本法寺宝物虫払い出典目録』(日親上人鑽仰会)、平成二六年には『図説日蓮聖人と法華の至宝』第七巻(同朋社メディアプラン)等に収載された。
(二)近松門左衛門(一六五三-一七二四)作、鍋冠日親の伝記を脚色した浄瑠璃本。
その初演の年月日は不明であるが、柳亭種彦(一七八三-一八四一)の『柳亭浄瑠璃本目録』に載り、種彦はこれを実見の上、近松作と確認している。
現在、その在否は不明。

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