教行信証
教行信証
きょうぎょうしんしょう
詳しくは『顕浄土真実教行証文類』という。
六巻。
親鸞(一一七三-一二六二)撰。
撰述年代については、親鸞の関東時代の元仁元年(一二二四)説、帰洛後説、信巻別撰説などあるが、関東在住中までに一往撰述され、以後も改訂補筆が続けられたとされている。
本書は浄土真宗における立教開宗の聖典とされ、真宗教義の綱格を示した根本的著作である。
本書の特色は具名が示すように念仏の要文を多くの経論釈から引用した文類集であって、親鸞自身の言葉は少なく、経論釈の文をもって親鸞の思想を組織体系化しようとした点にある。
第一巻(教巻)では、『大無量寿経』を仏出世本懐の真実教とし、第二巻(行巻)では、南無阿弥陀仏と称(とな)えることが真実の大行であるとし、第三巻(信巻)では、至心信楽の願から出でる大信を衆生往生浄土の正因とする。
第四巻(証巻)では、行と信とによって得る往生成仏の証果は必至滅度の願いによって至る境地であるとし、第五巻(真仏土巻)では、仏の光・寿二無量の願に報いて顕現した国土を真仏報土とし、真実行信の者の所入の処とする。
第六巻(化身土巻)では、仏は観経所説の真身観の仏、化土は観経所説の国土と無量寿経所説の疑城胎宮であると説いて真仮を分判し、立教開宗の基礎を明らかにした。
《『正蔵』八三巻、『日本思想大系』一一巻「親鸞」、『親鸞辞典』(東京堂出版)「教行信証」の項、『岩波仏教辞典』『仏書解説大辞典』「教行信証」の項》