起請文【修法】
起請文【修法】
きしょうもん
請を起すことを記した文。
『下山鈔』、『新尼鈔』等に出ている誓約、誓願などを書いた文書、略して起請とも言う。
古くは事を発起して主上に奏請する表文をいい、後には精誠の誓約、誓願を書いた文書をいい、更に仏神に勧請して誓いに背けば、その神仏の罰を蒙ると書かれた神文、罰文などをもいう。
(一)誓状の意味の起請文―
(1)偽りのない旨を神仏に誓う、(2)誓いを立て神仏に願い事の成就を請い奉ること。
(3)上へ願い出る。
(二)神文、罰文の意味にての起請文―誓いに背(そむ)くと罰を蒙(こう)むるも可とする文。
(三)制止の意味の起請文―起請の旨を記した文書。
古い起請文の例としては、「立申起請文事」に「右意趣者真間御堂ノ事日樹に仰せつけられ候につき候て、或は門徒を引分け候、右は御置文にもそむき、大輔殿にもそむき候てうしろいたくはらぐろ(腹黒)をなし候ならば、本尊、十羅刹女御影の御ばちを、日樹が身にあつくふかくかぶり候べし。
仍起請文状如件 正和三年甲寅(一三一四)卯月廿五日日樹花押(中山故書)」とあり、加行所の起請文も時代の変遷により、文面が種々に変ってきている。
ここに文化一三年(一八一六)の起請文を書く。
「起請文之事 御院内御制規條々ノ事生涯色心相守リ違背仕リ間敷候、後日相背ニ於テハ御本尊、鬼子母尊神ノ御罰を蒙り奉る可き也、依テ起請文如件 文化十三年八月十日 正東山文句三ノ側 高谷常明寺 遠厚院日昭 花押」
《『当流加行目録』、『御院内御制規条々』、『遺文辞典』歴史篇「起請文」の項、『日蓮辞典』「起請」の項、『国史大辞典』四巻「起請文」の項》