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法華神道幣束之巻

ほっけしんとうへいそくのまき #3865

法華神道幣束之巻

ほっけしんとうへいそくのまき

日蓮宗において使用されている幣束の大部分が図示され、その使用法、切り方等が記されている相伝書。
本抄は現在「加行相伝目録」にあげられているため、相伝無漏から離れて本抄を解説する。
本抄については正徳元年(一七一一)の当流加行目録の中に、「一、法華神道幣足・二十五丁」(前荘厳指南含む)、古伝書に「註・足ハ束也」と記載されているのが初見のようである。
これがいまの「法華神道幣束之巻」のことであろう。
現在は一三五種以上の幣束が相伝されているが、昔の「法華神道幣束・二十五丁」に何種類あったかは不明である。
正徳元年より約六〇年前の承応二年(一六五三)大阪府高槻市一乗寺六世普明院日栄の相伝には、中山流勧請五段幣、火打幣、中山人形幣等一一種類あるのみで、その五〇年後には一〇〇種類以上の幣束が集成されている。
法華神道」と称することはト部神道との縁であろう(修験道山伏がト部兼益流 日蓮所立神道幣切方と書写した伝書もある)。
いずれにしても江戸初期に京都を中心として各門派の幣束を蒐集したことは、同じ神名の幣で切り方の異なるもの○○流幣というものもあり、また恐らく関東では信仰されなかった神の幣などもあることによって推考される。
その内容は「神の幣」が殆どで「の幣」は少ない。
祈祷に関する幣も多いが、要するにこの抄では幣束は神の心が乗り移るものであり、一方御宝前に供えて供養するためのもの、という二つの考えから集められたものであろう。
本抄を基本として積善坊流等ではその流派独自の幣を加えている。
また神道各派にはこれ程多種類の幣束は無い由である。
なお本抄が他宗派にも影響を及していることは前掲の山伏の写本でも明らかである。

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