法華問答正義抄
法華問答正義抄
ほっけもんどうしょうぎしょう
二二巻。
中山門流の少納言律師日全(一二九五-一三四四)の講述した書。
日全は中山三世日祐の弟子分で、一之江妙覚寺の祖と伝えられている。
天台教学を比叡山および関東の仙波談林で学び、宗義は身延山に登って日進に師事し、秘伝・口伝を相承している。
本書は従来中山門流の秘書として重んじられてきたものであるが、その著述は正慶二年(一三三三)の頃より康永三年(一三四四)にかけてなされたものである。
第一巻より一二巻までは、法華経ならびに開結二経の要文について問答形態をもって推研し、法華経の正義を顕揚することに努めている。
次に第一三巻より二一巻までは浄土・真言・禅・天台についての見聞を記して、諸宗破折の基とし、第二二巻は法華天台真言勝劣事・当家の観心と行相についての論述が見られる。
なお本書の正本は中山法華経寺にあったが昭和一九年に方丈の焼亡の際に焼失し、その直写本が立正大学図書館に存するが、第一巻、四巻、七巻が欠けている。
なお、本書は興風談所発行『興風叢書』一〇~一五に全文が解読翻刻された。