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悪鬼神

あっきじん #2188

悪鬼神

あっきじん

仏道修行の妨礙となり、人を悩害し、その生命をも奪う妖精、鬼神をいう。法華経陀羅尼品、勧発品に出ており次のような種類がある。
(一)夜叉=薬叉、暴鬼。
八部鬼衆の一、羅刹と併称せられ「薬叉羅刹婆」ともいう。 天夜叉地夜叉虚空夜叉あり、天夜叉、虚空夜叉は能く飛行する。
(二)羅刹=鬼の総名。
、可畏といい、人の血肉を食し、空を飛び、地を行くに捷疾で畏るべき鬼。 捷疾鬼ともいう。
(三)富単那=富多羅、臭餓鬼、熱病鬼、災恠鬼ともいう。
その身は臭穢で、人畜に災害を及ぼす。 餓鬼の中で最も福がすぐれている。
(四)吉蔗=起屍鬼といい、人が毘陀羅をもって屍をすれば、毘陀羅法によりこの鬼は屍を起たしめ、怨ある人を殺させる。 を唱うる故に殺ともいう。 毘陀羅は起屍鬼の名。 吉蔗は所作と訳し、夜叉の所作をなすを夜叉吉蔗。 人の所作をなすを人吉蔗という。
(五)鳩槃荼=槃査、厭鬼、魅鬼という。 人の精気を噉ふ鬼で疾きこと風の如しと。
この鬼は陰嚢の形が冬瓜に似て、行くは高くささげて肩上に置き、坐すはこれに拠る。 南方増長天王所領の鬼。 馬頭人身。
(六)餓鬼=常に飢渇の苦を受ける鬼。
鬼類のうち餓鬼が最も多くこれらは果報の餓鬼である。 日蓮聖人心性において「瞋るは地獄、貪るは餓鬼、癡かは畜生、諂曲は修羅」(定七〇五頁)と示されている。
(七)毘陀羅=韋陀羅、起屍鬼。
(八)犍駄=赤色または黄色と訳し、赤色でしかも黄色の身体の鬼。
(九)烏摩勒伽=烏色の食人精気鬼。 大殺という。
(一〇)阿跋摩羅=鬼の総名であって青色鬼。 熱病鬼。転筋鬼(人の身の中に入って、手足の筋を転ずる鬼)、作忘者(記憶力を失わしめる鬼)ともいう。
(一一)毘舎闍=食血肉鬼、噉精鬼、顛狂鬼(癩癇はこの鬼の所為)という。 餓鬼中の威得勝れた鬼。 持国天王の眷属。 これらは狭義の鬼で、更に広義には修羅、魔王民をも含める。
《『遺文辞典』歴史篇「悪鬼神」の項、『岩波仏教辞典』「悪鬼神」の項》

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