妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

妙正物語【教学】

みょうしょうものがたり #1534

妙正物語【教学】

みょうしょうものがたり

二巻一冊。
著者は京都妙覚寺二〇世、実成院日典(一五二〇-九二)とされているが異説がある。
『近世の思想』(日本思想大系五七)所収。
摂津小浜村に妙正なる人が庵を結び、一子九郎妙菩提を弔っていたが、ある日、一宿を乞うた旅僧にこの妙正が語ったのが『妙正物語』である。
備前の寺西新之丞正成、法名妙正は子細があって同中村に引きこもり、妻とその一子九郎と農を営んでいた。
九郎は商用のため上洛の折、妙覚寺日典の説法を聞いて日蓮宗に改宗。
した九郎は父母にも改宗することを説くが、一向信者の父母は反対する。
父妙正との宗論がたたかわされ、父は負けて改宗しようとするが、母の反対で断念する。
九郎はそれにより重病となり、臨終にのぞんで再度父母に改宗をすすめ、身延への納骨と形見を師日典へ届けることを遺言する。
父母はこの臨終にのぞんで心底より後悔し、改宗するという化のための書。
諸版があり寛文二年(一六六二)版、文政六年(一八二三)版は『妙正物語』、文政八年版、保一四年(一八四三)版の書名は『法華随力妙正物語』。
なお本書の著者を日典とするのに対し、神田喜一郎はそれを否定し(典籍剳記)、藤井学も必ずしも日典でなくとも、彼と同代その近辺の妙覚寺僧俗によって書かれたとも考えられるとしている。
《藤井学「仮名草紙と法華宗―妙正物語について―」『岡山史学』九号》

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