妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

天竺

てんじく #1405

天竺

てんじく

古代の呼称。
一般に天竺は印度のことをいうが、日蓮聖人は摠じて月氏国(西域(さいいき)古王国の名)を指して天竺といっていたようである。
報恩抄』に「天竺は七十箇なり。摠名は月氏」(定一二四三頁)とある。
また五天竺(東西南北中に区分して天竺と称し、一六大国あった。摩竭提(まかだ)国は中天竺に属する)ともいう。
「月支と申すは天竺の総名なり、別しては五天竺是也」(『四条金吾殿御返』定六六五頁)と記している。
聖人天竺は日本より南西(天竺よりこの日本は東北之州とあることから)に位置し、「九万里七十箇国」(定一四〇七頁)とされ、一向小乗の国、一向大乗、大小兼学のがあったという(定四九一頁)。
日本と比較して「天竺をば月氏という、我国をば日本と申す。一閻浮提八万の国の中に大なる国は天竺、小なる国は日本也。名のめでたきは印度第二、扶桑第一也」(定一三七八頁)といい、「仏法は月の国より始て日の国にとどまるべし。月は西より出で東に向ひ、日は東より西へ行く然のことはり」(定一三七八頁)と述べている。
摩竭提霊鷲山を指して天竺霊山と称した。
《『遺文辞典』歴史篇「天竺」の項、『岩波仏教辞典』「天竺」の項》

← 事典トップ