執事
執事
しつじ
事務を執行する役職のこと。
宗門には大別して宗務を執行するものと、寺務を執行するものとの二つがある。
初めに宗務執行の場合について記せば明治七年(一八七四)新居日薩が日蓮宗初代管長に就いた時、宗務内局の最高位に執事の職を置いた。
管長を補佐し、宗務を総理する役柄である。
現在における宗務総長の地位に相当する。
この職名は第六代福田管長の時まで続き、明治一七年第七代吉川管長の時、管事、監査と改称された。
明治三八年第一六代の豊永管長の時、総監となり、爾後、宗務総監、宗務司監を経て現在宗務総長と呼称されている。
次に寺務執行の場合を記せば本末制施行当時、本山の執事と本山以外の比較的大寺院に執事が置かれていたが、大寺の場合は単に事務執行にすぎない職柄であった。
これに比べ本山の執事は末頭と共に干与人の地位に置かれ、本山後住職選定に際しては住職在任の場合、住職より辞任の協議を受け、住職後補三名の選定、後住職選挙申請、住職辞任願、選拳発令、開票立会、住職当選承諾具申等の総てに干与連署する。
住職欠員の場合は住職に代りこの手続を全部司宰する重要な役職である。
総本山・大本山は二名以上、本山は一名以上選定、宗務院に届ける制度である。
《『現行日蓮宗寺院名簿』、『日蓮宗法規』(昭和八年版)「総本山大本山本山住職選挙規則」》