四摂法
四摂法
ししょうぼう
梵語catvārisaṃgrahavastūniの訳。
菩薩が衆生を教化して悟りに導く際に用いる四種の方法。
布施摂(dāna-saṃgraha)、愛語摂(priya-vāditā-saṃgraha)、利行摂(artha-caryā-saṃgraha)、同事摂(samānārthatā-saṃgraha)の四。
摂とは衆生を慈悲の手に摂めて育て護ること。
(一)布施摂。
教えやものを施すこと。
法施財施をもって衆生を摂招すること。
財を欲する衆生には財を施し、法を希(ねが)う衆生には法を施して摂受し、調熟すること。
(二)愛語摂。
やさしい言葉をかけてやること。
親愛の語をもって衆生を摂招すること。
衆生の機根に応じて、衆生の聞かんと楽(ねが)うことを説いて衆生を摂受し、調熟すること。
(三)利行摂。
他人の利益になることをすること。
三業の善行によって衆生を利益し摂招すること。
(四)同事摂。
共に同じ仕事にあたること。
形を変じて衆生に近づき、衆生と事業を同じくして摂招すること。
『中阿含第三三善生経』、『大品般若経』一三巻聞持品等に説かれ『集異門足論』九巻、『大智度論』六六巻等に解説されている。
《『広説仏教語大辞典』「四攝法」の項、『岩波仏教辞典』「四摂事」の項、『新版仏教学辞典』「四摂法」の項》