別当
別当
べっとう
専当に対することばで、本官にある者が別に他の職に当るという意味であるが、後には本官となった。
大寺社における長官にして一山を統轄する職。
天平勝宝四年(七五二)良弁が東大寺別当に補されたのを最初とし、法隆寺・興福寺・園城寺・四天王寺等の諸大寺や、宇佐・石清水・鶴岡・祇園等の諸大社などにおかれ、やがて大・小・権・修理等の区別が生じ、またその人が在俗の文武顕官である場合を俗別当という。
本宗において身延の主職は五世日台の頃は別当と呼ばれ、また中山でも日高の時代には別当と呼ばれており、池上本門寺祖師像胎内経筒銘も日朗を「大別当」と刻んでいて、別当は当時の本寺主職の一般的名称であった。
身延山久遠寺の主要な堂宇である七面山敬慎院と奥之院思親閣は現在、法主から支院住職が三年の任期で別当として任命され、その維持経営に当っている。
七面山別当がいつに始まるか明らかでないが、二四世日要代には七面山鑰取の役が定められている。
奥之院については三〇世日通代に別当が任ぜられているが、それ以前については未詳。
《『遺文辞典』歴史篇「別当」の項》