虚空蔵菩薩
虚空蔵菩薩
こくうぞうぼさつ
梵名Ākāśa-garbha虚空孕(こくうよう)菩薩とも訳す。
智慧、福徳が広大であって、あたかも虚空に等しいために名付けられた。
胎蔵界曼荼羅の虚空蔵院の中尊である。
五智宝冠をいただき、右手に智慧の剣、左手に福徳の宝珠を持ち、蓮華座に坐す。
胎蔵界曼荼羅では観自在菩薩と共に、釈迦仏の脇侍となることがある。
また阿弥陀の来迎に従う二十五菩薩の一に数えられる。
虚空蔵菩薩の五智をひらいて五大虚空蔵菩薩となすことがあり、賢劫千仏の上首の十六尊の一に数えられ、また故人の法要の際に掛けられる十三仏の一にあげられるなど、古くから尊崇され、形態は様々である。
虚空蔵菩薩はまた、虚空蔵求聞持法の本尊ともされる。
この行法は記憶力の増益を目的とするもので、大安寺の道慈律師が唐から像と共に養老二年(七一八)に将来し、空海も入唐前にこの行法を修したという。
日蓮聖人が清澄寺の虚空蔵菩薩の前において、祈念をこらしたと伝えられることも故あることといえよう。
《『遺文辞典』歴史篇「虚空蔵菩薩」の項、『日蓮聖人大事典』「日蓮聖人と虚空蔵菩薩」の項、『日蓮辞典』『岩波仏教辞典』『図説仏教語大辞典』『国史大辞典』五巻「虚空蔵菩薩」の項、『日蓮聖人事蹟事典』(雄山閣)「千葉」の項》