五智
五智
ごち
仏に備わった五種の智慧で、(1)大日如来の智をいう。
法界体性智・大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智の五智である。
法界体性智とは、真理の世界の本性を智慧と称したもので、密教だけがこの智慧を立てる。
以下の四智は仏教一般で立てる智慧で、大円鏡智とは、鏡のごとく万象をうつしだす智。
平等性智とは、万物が平等であると悟る智。
妙観察智とは、種々の事象の差別を正しく判断する智。
成所作智とは、自己と他人のためになすべきことを成就させる智。
(2)『無量寿経』においては、仏智・不可思議智・不可称智・大乗広智・無等無倫智・最上勝智をいう。
聖人は『諫暁八幡抄』(定一八四一頁)に、古来より日本で仏像等の開眼をする時、必ず真言により、その仏像等は五智を具すとしているが、真言のような権教で開眼するとかえって仏眼をころしてしまうとし、『木絵二像開眼之事』(定七九三頁)に説示するように、仏像等の開眼は必ず法華経によらなければならないとしている。
《『遺文辞典』教学篇「五智」の項、『岩波仏教辞典』「五智」の項》