私新抄
私新抄
ししんしょう
一三巻。慶林房日隆(一三八五-一四六四)著。
正本は京都本能寺所蔵。
著作年月日不明。
『宗全』三巻収。
付けたりの論目を加えて、計一三三ヵ条の論目を立て日像門流の口伝秘伝、日存日道両師からの相承法門を列ねながら八品派の一部修行本勝迹劣本門八品上行要付の宗義を問答体にて論述する。
内容を点描すれば、第一・二巻には「相待絶待二妙事」「相待妙明開会耶」「本迹待絶二妙事」「法華宗相待妙修行従他宗加難事」を論じて、日蓮門下の修行は絶待妙から相待妙に出て相待対妙修行を行うにありとし、また「本迹実相同異」を論じて要するに本勝迹劣を立てる。
第五・六の両巻には本尊を論じて、仏本尊を熟脱の本尊として排し、首題を末法下種の本尊として立てる。
第七巻に「三五塵点者仮説歟実説歟」を論じて五百塵点実数説を採り、有始に即した無始常住の報身を法華の正意とする。
八品正意論は第一一捲の「付、一品二半与八品不同事」にあり、第一二巻には上行要付論、第一三巻には種熟脱三益論を展開して本因下種を立てる。