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漢音

かんおん #4010

漢音

かんおん

漢字音の一種で、唐代に都長安(今の陝西省西安)地方で行われた字音。
長安は唐以前に漢が都とした処なので、その地方の音を漢音とよんだのだといわれる。
漢音は奈良朝のころ、遣唐使やその随員・留学生等によってわがに伝えられた。
これより先、わがには、すでに呉音が伝来し、広く用いられていたが、漢音は最新の都会の発音だというので、一部の人々にもてはやされた。
『日本紀略』によると、桓武皇は延暦一一年(七九二)儒教の典籍は必ず漢音で読むようにとの勅命を下し、翌年には年分度者も漢音を習得しなければ得度させないことにした。
僧侶の中でも留学帰りの空海(弘法大師)は漢音礼賛者で、彼は仏経をも漢音で読ませようとした。
そのために漢音阿弥陀経(かんいんあびだけい)のようなものも作られたが、実際には内典は従来どおり呉音で読み、外典は漢音で読むというのが一般の慣習として定着し、現在に及んでいる。
○例( )内は漢音
降伏=がうぶく(かうふく) 精霊=しゃうりゃう(せいれい) 忍辱=にんにく(じんじょく) 九品=くほん(きゅひん) 遠近=をんごん(ゑんきん)。
《神宮司庁『古類苑』文学部二七、大島正健『漢音呉音の研究』、戸田浩暁『法華経文法論』、『国史大辞典』三巻「漢音」の項

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