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唐音

とうおん #1075

唐音

とうおん

漢字音の一種。
平安朝末期から鎌倉時代にかけて、主として禅僧が伝えた宋・元時代の揚子江下流地域の発音と、江戸時代に禅僧や貿易商人・長崎通事等によって伝えられた明・清時代の南方系の発音との総称で、前者を特に宋音と称して区別することもある。
その場合、後者は唐音とも華音ともよばれた。即ち唐音の「唐」とは七世紀から九世紀にかけて栄えた「唐王朝」をさすのではなく、カラ・モロコシなどの意で、つまり当時新渡来の中国音を唐音と言ったのである。
岡島冠山等の『唐話類纂』によれば、平安(ビンアン)・慌忙(ハンマン)・遷延(ツヱンヱン)などの例をあげることができる。この音は、中語として通用したが、わがの漢字音の大勢を変えるには至らなかった。
唐音を茶摘みもよほど聞き覚え」という川柳があるように、宇治の黄檗山では専らこの唐音(華音)を用いたと言われるが、本宗では優陀那日輝が回向文に唐音を用いることを排斥している(『充洽園礼誦儀記』)。
恐らく耳なれない新音が聴く者に奇異の感を与え、雅趣を損なうと考えたからであろう。
《『古類苑』文学部二七、石崎又造『近世日本に於ける支那俗語文学史』、『国史大辞典』一〇巻「唐音」の項

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